学校のごみを減らすには、分別箱を置くだけでなく、何が出るか、どう減らせるか、分けた後に誰が回収するかまで考える必要があります。今回はバングラデシュの環境教育を、毎日の学校運営から考えます。一度の清掃行事で終わらせず、使い方と回収の仕組みを見直す視点です。
環境教育を、学校の運営につなげる
世界銀行は2021年、バングラデシュの持続可能なプラスチック管理の行動計画について、減らす・再使用する・再資源化するという3Rの考え方を紹介しました。計画の方向性であり、達成済みの実績ではありません。出典:世界銀行・持続可能なプラスチック管理。
UNESCOの2024年のグリーンスクール基準は、授業だけでなく、施設・運営、学校の意思決定、地域との関わりを含めています。学校全体で考える枠組みです。出典:UNESCO・グリーンスクール品質基準。
以下は学校で検討するための例であり、キズナの実施事業や特定の学校の実績ではありません。分別や回収の方法は、地域の担当者と確認して決めます。
まず、どこで何が出るかを見る
例えば教室、職員室、売店の周辺などで、紙や包装がどの場面で発生しているかを整理します。子どもに混ざったごみ袋を開けさせる必要はありません。大人が管理した記録や、捨てる前の清潔な見本を使えば、何を減らすかを話し合えます。
「たくさん出た」だけでなく、行事の後に増えたのか、同じ資料を余分に配ったのかなど、発生する理由を確かめます。回収した量を競うより、不要な物を最初から出さない方法を探すことが、学校の取り組みの入り口になります。
捨て方の前に、使い方を変えられるか
例えば配布物なら、必要な部数を確認してから印刷する、同じ案内を重ねて配っていないかを見る、といった工夫があります。掲示に変える場合も、必要な人に情報が届くかを確かめます。ごみを減らすことが、学ぶための情報を受け取れない理由になってはいけません。
再使用できそうな物も、用途に合う状態かを大人が確認します。壊れた物や用途の分からない容器を、工作材料という理由だけで集めないことも大切です。「何かに使えるかも」と保管するだけでは、物が増えて管理が難しくなる場合があります。使い道と保管場所を一緒に決めます。
分別は、回収先の条件から決める
地域で受け入れられる品目や状態は、回収先によって異なります。学校が独自に細かく分類する前に、誰が引き取り、どこへ運び、何を受け付けるのかを確認します。「リサイクル」と表示した箱へ入れたことだけで、再資源化されたと判断しません。
箱の表示には、実際に出る品目の絵や写真を使う方法があります。迷いやすい物は、担当者へ聞けるようにします。色だけで意味を伝えず、文字や具体例も合わせると、使う人が判断する手がかりになります。分別箱は通路をふさがない、利用しやすい場所に置きます。
回収する日、保管する場所、引き渡す担当を決め、回収が来ないときの連絡先も残します。分けた物がその後に混ざるなら、子どもの分別努力だけを増やすのではなく、引き渡しまでの手順を見直します。清掃や回収を担う人にも、運用を相談することが重要です。
子どもの参加と、大人が担う作業を分ける
子どもは、表示を考える、使い捨てを減らす案を出す、回収の流れを図にするなどの形で参加できます。一方で、割れたガラス、電池、薬品の容器などは大人が適切な回収先へ相談する対象です。危険な物を子どもに選り分けさせたり、ごみを燃やす活動にしたりしません。
活動の成果は、ごみを多く集めた子を表彰することだけでは測れません。例えば、余った印刷物を減らせたか、表示で迷う場面が減ったか、予定どおり引き渡せたかを振り返れます。記録の条件をそろえれば、何を変えた結果なのかを話し合いやすくなります。
引き取られた量と、実際に再資源化された量も区別します。回収先から確認できないことは、成果として断定しないようにします。分からない点を質問し、学校の中でできる改善と地域の協力が必要なことを分ける過程そのものが、環境を学ぶ機会になります。
学校のごみ削減についてのよくある質問
分別箱は、種類が多いほどよいのですか?
数を増やすことが目的ではありません。回収先が受け入れる分類と学校で続けられる運用に合わせ、使う人が迷わない表示を考えます。
清掃行事をすれば、ごみの問題は解決しますか?
清掃は一つの活動です。何が出るか、使う量を減らせるか、回収が続くかも確認し、日常の運営につなげることが必要です。
キズナの現在の活動は支援事業でご紹介しています。教育への協力はお問い合わせからご相談ください。
資料確認日:2026年10月13日。
